【天地人】は根が太い

お疲れさまです。omoto-boyです。

早いもので2019年 も8月 が やってきましたね。
夏場はとにかく作場の風を動かす、薄い灰汁水(4,000~4,500倍くらい)を頻繁に、
を心がけています。
風はサーキュレーターを使って、万年青に直に当てないように気をつけています。

ここを乗り切ればいよいよ万年青のシーズンに突入します。
全国各地で催しがありますので、
皆さんも展示会などに足を運んでみてくださいね。
やはり写真で見る万年青と生で見る万年青は違いますので。

今日も未登録で知っている人が少ない、隠れた銘品を紹介します。

園主が以前blogをやっていた時に書いた記事も載せておきます。
http://blog.livedoor.jp/etanaka1/archives/51296117.html
http://blog.livedoor.jp/etanaka1/archives/51813492.html

最初の発表

昭和53年に東海万年青同好会が発行した、
銘品百選という写真集の白いほうに重松清司さんが出品しています。
昭和45年、愛知県の杉山真一郎氏が作出した実生を重松氏が入手したのが始まりで、
当時は共有品だったそうです。
葉長5~6cm内外、葉幅2cm内外の小型羅紗、垂平葉型で僅かに折下げるのみで姿態頗る良い。浮地肌をもち、本剣、棒剣、折りのし、盛り上がる団子状となる芸も見事というほかない。繊細な雅糸竜も品がある。
と書いてあります。

萬風展に展示された天地人

第3回 萬風賞作品
当園は割と早く扱ったそうで、富山にいたS先生に縞の木を納めてありました。
それが殖えたものが長野県のTさんに納まり萬風賞を受賞しましたが、その後枯死しました。
第18回で展示されたFさんの作品
Fさんが萬風展に飾った木は4才で、絶種寸前からうちで殖やした木です。

昔、Tさんが作っていた覆輪

岐阜にTさんという作者がいました。
一時期は出品した木がほとんど特別最優等で金屏風に5本くらい上がったこともあったと記憶しています。
水苔を多用した折衷植えでその時代では日本有数の名作者でした。

別の木ではなく、表と裏の画像です。

Kさんで生き残った木

Tさんの割子が当園と共有でKさんに納まりましたが、
棚入れしてすぐ割口が大きく減ってしまい、さらに親も調子が悪くなったので
絶種が危ぶまれました。

しかし、その後Kさんが万年青を作れなくなり当園で作ることになり、
2年くらいかけて親は回復。その後芋吹きを5本とり、その先でも3本殖えたことで現在は覆輪の木が10本近くになっています。

芋吹きの姿


【天光冠】のように木に対して根がとても太く、なかなか作が難しいところもある品種ですが、まだ真価は発揮していないと思います。
私が親父の年くらいになるまでに、至芸品を見てみたいものです。

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