おもとの花芽はこのようになっています。
おもとは蝸牛媒花といってカタツムリやナメクジを媒介として交配をすることになっていますが、蝸牛は趣味のおもとの世界では害虫ですので、基本的には人工的に交配して実を付けたほうが安全で正確です。
雌しべを中心に6つの花粉(雄しべ)が周りを囲んでいて、それが群がって構成されています。
花芽は始め緑色をしていますが、開いてくると段々黄色くなってきます。
そして、夜や湿気のある日に見てみると雌しべから蜜が出てきています。
その時が交配の適期ですので交配します。
「自花交配(セルフ)」
観賞目的で実を付ける場合はこの方法がベストです。
柔らかい筆で撫でて花粉を雌しべに付けてやるとギッシリ実を付けやすくなります。
満遍なく撫で終わったら下の写真のように水で流れないように何かを良いものを被せておき、雌しべから蜜が出なくなったら交配成功です。
蜜が出るようでしたらもう一回撫でてやりましょう。
これで受粉した雌しべが膨らんでくるまでこのまま被せておきます。
タバコのケース外装の透明フィルムだと透明なので、蜜が出ているかどうか確認しやすくおすすめです。
適期に蜜が出てこないようでしたら、ブドウ糖やショ糖を10倍くらいに溶かした糖水を花芽にかけてやると蜜が出やすくなります。
後は、直射日光や風に当てると蜜が乾いてしまうので、この時期、実を付けるものは日陰で風のあまり当たらない場所に置きましょう。
「他花交配」
まず雄木にする万年青の花粉を取ります。
取る時期としては花粉と花粉の間隔が開いてきた時。
花粉は周りの壁(?)に付いていますので、周りに沿って篦で切り離してやるような間隔で取ると簡単に取れます。
ピンセットで摘みとるという方法もありますが、いずれにせよ細かい作業です。
取った花粉は下の写真のように電球で30分程開葯させ、薬包紙に包んでシリカゲルなどの乾燥剤と一緒に容器に入れて保管します。習字紙で包むと乾燥が甘くても水分を吸ってくれるのでおすすめです。
交配は順調ですか? こちらは実親を手元に置いたのですが、まだ蜜を確認できず一鉢も交配できていません。予想外の大雨にもあててしまい、どうなるのか。悪戦苦闘中です。
返信削除万葉さん
返信削除コメントありがとうございます。
一応♂木の花粉だけは開葯させて保管してあるのですが、肝心の♀木の花芽が上がってから結構時間が経っているのに全然色付いてこなくて、まだ除雄にも至っていません。
明後日から2日間留守にするので、そこで一気に花芽が来てしまうのでは、と心配しております。
追記
返信削除ブログで読みました。大変でしたね。
地元の実生家の方はビニールハウスの中にもう一つビニールハウスを作ってダイオネットをかけ、その中で交配しているようでした。
ベランダに簡単な雨よけビニールを張ってしまうのも手かもしれませんね♪
初心者です。
返信削除黄色の実の万年青(無地葉)を育てています。
今年も花が咲いたのですが、葉芸ものとの交配は可能でしょうか?
(実の黄色を葉芸ものに引き継がせることはできますでしょうか?)
また、昨年の実(自家受粉)がたくさん採れたのですが、この種子から育てた苗も黄色の実がなる万年青に育ちますか?
教えていただければ幸いです。
よろしくお願いします。
黄色い実の万年青は「黄金宝」と「春月」という品種を見聞きしたことがあります。
削除黄色い実を結実するという特徴が遺伝するのかどうかは、私自身試したことがないので分かりませんが、別の品種名があるということは遺伝することがあるのだと推測します。
無地の万年青からは縞は出現しませんが、胡麻斑、白斑、砂子斑、曙斑などを♂木として交配すれば斑を遺伝させることは可能です。
次世代で黄実が結実するのかは不明ですが、トライアンドエラーで色々と交配してみることをオススメします。
ご返信ありがとうございます。
削除都城の花が上がってきたので交配にチャレンジしてみたいと思います。
ご報告できるようにいろいろ試して頑張ってみます!!