【帝王】次世代を担う品種の中でも飛び抜けた存在(主観的)

お疲れさまです。omoto-boyです

「帝王」という未登録品を知っていますか?
昨年末に亡くなった先輩業者、瑞光園の故町田さんが力を入れていた未登録品で、
4回、14回、17回の萬風展で萬風賞をとった銘柄です。
平成6年に当才生えで富山県の林さんに納めたのがはじまりで、
作出は緑風苑さん、交配は不明となっています。(4回萬風展記念帖13Pより)

最初の殖えはうちの近くにいた松井さん(三好会のメンバー、麒堂などを作出)
に納まりました。
その後、松井さんは1本だけ殖やし、
それが14回萬風展で佐藤さんが萬風賞を受賞されました。

松井さんは晩年、「帝王」の親木をうちへ持ち込み、
前島さんが引き継いで育てています。
現在の日本中にある本数は6本です。

今回は今まで展示された作品や芋吹きなどを紹介していきます。


歴代の萬風賞作品

第4回 林さんの作品

第14回 佐藤さんの作品

第17回 前島さんの作品
4回萬風賞は平成16年なので10才の時です。
この時点で総本数は2本。

14回萬風賞の佐藤さんの作品は芋抜け根なしから復活したウブ5才。
この時点で...総数2本!殖えていない!
この作品の殖えに覆輪が完成しつつあるようです。

17回萬風賞の作品は何度も芋切りをした木で老木です。

松井さんが展示した木



17回萬風賞作品の過去の姿です。
松井さんのお棚は採光が甘く、施肥も一時期控えていたせいか、
いつも痩せていました。
私が知っているだけで3回は芋切りをしましたが、全てモノにならず...
親が生き残って、殖えが名作者の佐藤さんのところで生き残ったのが
不幸中の幸いと言えますね。

芋吹きの姿

 これは松井さんから前島さんに引き継がれて最初の殖えです。
6年くらい前ですね。
今まで殖えなかったのがウソのようにバリバリの一等吹きになりました。
これは命名者で育ての親である林さんに納まりました。

こちらは2年前の芋吹き。これが現在名作者のお棚で覆輪気になっています。

その後

これは芋吹きの1枚目の画像の4才時です。凄い芸!!

そしてこれは前島さんの木の現在の姿です。
芋切りは万年青を長持ちさせる為にするという考えが基本ですが、
希望者が絶えない品種であることと、
絶種を避ける為に切り続けられています。

葉姿は立ち葉性で乱れることはありません。
葉芸は熨斗雅糸主体で葉幅が出ると盛り雅糸を現します。
アタリはやや付きにくく割子は出ません。
芋切りをしても激しく凝ることはありません。

同じ地元の先輩業者、瑞光園の故町田さんを偲んで、
こんな品種があるということを皆さんに紹介させていただきました。

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