1月号の園芸JAPANに楽鉢の面白い記事が載っていました。
万年青界では有名な短冊屋、五柳、手島など以外にも浮田楽徳という作家が描いたのではないかという古鉢も紹介されています。
五柳といえば鉢の内側にある眼鏡マークが有名で、それがあるだけで価値が跳ね上がることもあるほどですが、あれは色見の為のマークであるという説も有力であり、実際に絵付けは五柳そのものなのに眼鏡マークの入っていない鉢がいくつも存在していることも事実です。
今回紹介する鉢は五柳ではないですが、私の一番のお気に入りです。
これは万年青業界で古鉢を語らせたらこの人!という米谷さんいわく、五柳の師匠のような絵付けをするので”一柳”の鉢だそうです。
この唐草紋様に注目してみますと、赤い釉薬をイッチンで施した上から金が塗られた、もしくは貼られてあります。
短冊屋和楽の職人の方にお聞きしたところ、この技法は短冊屋のものだそうです。
園芸JAPANの記事を読ませていただいたところ、浮田楽徳、五柳の鉢にも同じような技法が見受けられます。
当時この技法が流行りだったのか、あるいはどれも同じところで作られていたのかは私には分かりませんが、この様な細かい絵付けが古鉢、特に京楽には施されていることがあります。
もう一つはこれです。
実はこの鉢は大小五つ組で当園で眠っていたものです。
これもやはり赤の釉薬の上に金が施されています。
鉢の縁の下にある雲?の紋様は雑誌では浮田楽徳として紹介されている蘭鉢に全く同じ技法が用いられています。
そして注目すべきはこの縁金の部分です。
触ると剥げるのです。
これは当園でも縁金を焼くので分かりますが、剥げ方からして金液を焼いたものではないと思います。
もしくは縁金を焼いたときの温度が相当低かったのか。
あるいは現在の短冊屋和楽のように金箔を貼っていたのか。
最後にこの鉢にある落款です。
篆書体で、上の漢字は「木へんに小に口」?それとも「松」か?下の漢字は調べたところ「木へんに右」で「祐」の訛字だそうです。
「松祐」?作家の名なのか、趣味者の名で絵師に作らせたのか。
聞いたことのない名ですが、このような落款が描かれています。
私には判断できませんが、楽鉢の歴史的資料としては大変興味深いものですね。
こんばんは。
返信削除私も園芸JAPANの記事読みました。
楽鉢の歴史非常に興味深くまた掲載されている写真も素晴らしいもばかりでしたね。
古鉢ほしくなりますが、その前にオモトをきちんと育てなくてはと思っています。
ともわいさん
削除単純に古鉢の写真集としても楽しめまる内容でしたね。
是非良い作品を作って、近い将来、古鉢に植えて萬風展に出品してください。