9月1日 好きな万年青

『聖雲殿』

この木は今年から長野県支部に加入された若いお客さんから預かっている木ですが、中々に良く出来ています。
最近、好きな万年青を答える機会が何度かあり、羅紗系では『楼蘭』『峻山』などを思い浮かべましたが、よくよく考えてみると一番好きなのは「聖雲殿」だなぁ!ということに気づきました。
この線の美しさが何とも言えず、強い紺性、粗れた地合いは私のストライクゾーンのど真ん中に飛び込んできます。
覆輪が浅く青っぽく見えるので、この品種を新しい人に見せても中々理解し難い点があると思いますが、眺めれば眺める程に味わい深い品種です。

『雲鶴』
只今矯正中。
このような平葉の品種はゆっくりと丁寧に矯正しないと紐や輪ゴムが葉の縁に食い込み、葉疵が出来てしまうことがあるので気を付けましょう。
この品種は若いうちは『鸞山』に似ていて、『鸞山』よりも紺性が淡く地が固い感じです。
本芸を現してくると雪白の覆輪をまとった細かい総雅糸竜が出て、それは見事な姿になります。油断すると大きな葉が出てしまい、中々これと言った美術木が出てこないので挑戦しているのですが、今年は良い葉芸を現してきました。
最近だと第11回の萬風展に北海道の斎藤氏が出展した木は素晴らしかったです。

「350万円!?」
ある品種の青い木に子が上がっていたので見てみると爪に覆輪がかかっていました。
親木はこちら
多分、というか『力和』でしょう。
昔は覆輪が回らないと言われていたらしいですが、このような青っぽい木からいきなり覆輪が回ることがあるんですね。
園主に「見て、350万」と言って見せたら「へー、こんなことあるんだな」と感心していました。

コメント

  1. 一番好きなのは「聖雲殿」ですか?
    なかなか渋いですね。

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    1. 田村さん
      生えでも『聖雲殿』の地合いを基準に見ています。
      商人の観点からすると好きな万年青は「儲かる木」ですけどね。笑

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