二日目は実生が盛んな福島県のいわき市に入り、名作者である小滝さんや実生家さん方のお棚を見させていただいた後、三年越しの念願が叶い、日本屈指の実生家でいらっしゃる熊谷さんのお棚を訪問しました。
入り口の門には「玉松庵」の看板。
熊谷さんといえば何といっても日本一の千代田系の大家です。
その研究によって生み出されたものは私の想像を遥かに上回った彼方にありました。
一つ目の写真のものは私が今まで見てきた羅紗千代田の中で『玉松』と並んでトップです。『玉松』とはタイプが違いますが。
まず命である斑、葉芸、覆輪、葉幅、葉姿どれをとっても非の打ち所がありません。そして地合いが完全に羅紗です。艶消し地です。
今年出た広葉なんかは腰折れが良く『円空』の若い時を彷彿とさせます。
これは葉肉があり葉芸が強くやや青みがちですが、やはり完全に羅紗の地をしています。
私は趣味面では青や縞でもいける口なので、この左側の二枚だけでしっかりとツボを押さえられました。
今年の生えで根が完全に巻いている羅紗千代田を見せていただきましたが、この写真の木(2才)に関しては当才の葉がやや巻いていて当然根は巻いています。今後どう変化していくのか興味深いです。
そして千代田の羅紗、羅紗獅子に続いて大葉千代田を目指した交配にも取り組んでおいでで、その研究過程を見ることができました。
大葉おもとの本来は葉肉があり、幅広の立ち葉でなければなりません。そこに完全な千代田斑を乗せるのですから、羅紗千代田などを作出するのと同じくらいの難しさがあると思います。
私も「大象観」をベースにして挑戦します。熊谷さんから「長野県にある羅生の松は大葉千代田を作るなら使える」というアドバイスをいただいたので頑張ります。
千代田斑に関することは熊谷さんが最先端なんだなと改めて分かりました。
縞羅紗
そしてそれに続く今年の生え。
真の実生家のあるべき姿とは自身の作り出した実生を抱え込むのではなく、世に送り出していくことにあるのだと勉強しました。
今回お邪魔しておもてなししていただいた皆様、大変お世話になりました。
ありがとうございました。
数々の貴重な画像をありがとうございます。被災地でのこれだけの万年青への情熱にただ脱帽するばかりです。いつか追いつけ・・・と言うより、次はどんな見たこともない万年青を生み出して見せてくれるのかと期待したくなりますね。素晴らしいです!
返信削除万葉さん
返信削除このようなレベルの高い実生家さん達から色々と学び、地元で実生をやる方々に伝えていきたいです。
相変わらず大御所は凄いですね!
返信削除自分は「井の中の蛙」状態ですから自分の生えに自己満足してるからレベルが低いのかも?近くに仲間でも居れば又違うのでしょうが・・・・。
今年の実生会でもゴロゴロ良い物がでるのでしょうね!
s.hさん
返信削除s.hさんの生えはレベルが高いと思います。近い将来に登録されるようなものが生み出されることを期待しております。