『盧山(ろざん)』
昭和42年、愛知県の牧円蔵氏が「大宝F1」×「出世鏡」により作出。
その後、小田井氏が培養したことから「小田井3号実生」と呼ばれていた。
命名者は福島県の戸田尚緒氏、登録は平成4年に同氏と三光園主によってされた。
鉢3.3号にちょうどおさまるほどの大きさだがその葉幅の広さからは雄大な印象も受ける。
地は滑らかな絹地で柔らかい印象を受ける。「これは胡麻斑系統ではないか」と言う人もあるように紺性は淡く艶消しの地合いをしている。
覆輪は黄味を帯びており、先日紹介した『太楽』の白い覆輪と並んでいると趣きの違った二種類の覆輪が分かりやすい。
雅糸竜も絹雅糸といっていいほど低く繊細だが作り込むと盛り上がって葉肉もさらに増してくる。至芸になると輝いているように全面が覆輪に覆われ、非常に上品な銘品である。
外気△7−4℃
温室3−13℃
鉢内3−12℃
昨日潅水しました。この時期になると晴れの日の日差しはかなり強くなってくるので、日中は天窓を開けて暖かい空気が逃げるように換気をして温度が上がりすぎないようにしています。
明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。
返信削除千代田の松です。
小田井実生1号旭翠・2号剣山・3号廬山と盛んに云われて垂涎の的でした。3号廬山について私は黄覆輪なのに相場が凄く高いのは何故だろうと疑問視していました。三光鳳や理鳳の素晴らしさを見ている現在なら理解します。実親大宝F1には胡麻羅紗実親の花粉が着いたと推測出来る環境にあったからです。昭和40年前後に第一次胡麻羅紗実生流行の時代です。残念ながら葉型の同じ物が多くて飽きられました。実親の型が同系統によるものでしょう。
偶然や偶発的失敗(目的から外れる失敗)なども新たな葉姿や品性を生み出すのでしょうか。
銘品を世に送り出す、実生家の皆さんに敬意表します。
千代田の松さん
返信削除明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
一号が旭翠だったんですね。剣山は未登録で文字通り剣葉が多く幅を引くと凄い芸をすると聞いたことがあります。
胡麻斑ブームの終わりはかつての松谷千代田から生える千代田実生のような状態だったんですね。
生えの地合いも胡麻斑特有の艶消しの粗れ地ばかり生え胡麻がかかっているというだけで「胡麻だけにごまかされる」からと皆が買わなくなったという話も聞いたことがあります。
私は、実親は常に改良されているので千代田も胡麻もまだまだ想像を絶するような実生が出てくる可能性は多いにあると思っています。