10月25日 千代田の松

『千代田の松(ちよだのまつ)』
以前に突然変異の面白さについてブログで触れた時にも紹介した「千代田の松」。
千代田斑系というジャンルが生まれたほどの大銘品である。
松谷正太郎氏という万年青界の歴史に名を残す方が大正元年に現在でいう『松谷千代田』から作出した。これより以前、明治39年作出の実生で千代田の松という逸品があったのだがこれは枯死したとされている。
大正元年に生まれて今も大銘品として残る「千代田の松」は大正7年に三河の高須七郎氏に棚割りされたのだが、その時の取引が実に1万円という高値だったという。
えー、、、当時は約1円で米が10キロ買えたのですから、今の値段に直すと…スーパーで安く売られている米10キロでも3000円はするから、最低でも3000万円!!!
実際のところは5000万円程の価値があったということですね。
その後、両国で各界の著名人を招いて盛大な披露宴が行われた。

現在、万年青をやっている人は「千代田の松」を簡単に手に入れて作ることができるのですから、その幸せを噛み締めてしっかりとした美術品を作らなくてはいけませんね。

千代田の松は採光、施肥ともに強めが良く、傷みも腐った場所をいじらずに3年放っておけば治ると言われるほど丈夫な品種です。しかし、春先や秋口の冷たい風に当てると葉先が焼けてしまうので注意が必要です。
水は多めのほうが良いようです。

室内気温10−20℃
鉢内温度9−19℃
灌水なし。

松谷正太郎氏が著した万年青大鑑の1頁
「明治39年東京駒込弊園の産出にして、根岸斑に青覆輪をかけ、二面の高竜を有す。他に其の類はなく、実に絶圭の貴品なり。命名は根岸松の御行の松に因縁みて命名せしが如く、著者は、東京千代田城に因縁して『千代田の松』と名づけたり。予や愛青ここに十有余年、初めて理想の逸品を得たり、理想の実現、夫れ難い哉」

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