9月18日 玉獅子の虎


万年青には獅子といって葉がクルクルとカールする品種があります。
この獅子芸は他の植物には見られません。

獅子の原種といわれているのが『玉獅子』で、その玉獅子に雪白の虎斑が現れたものが『玉獅子の虎』という品種です。
明治30年頃に名古屋の石原宗三郎氏の棚で玉獅子に虎斑が現れたとされています。
甲竜はなく、覆輪に虎斑、余計なねじれなどもなく内側に巻きこむだけというシンプルな芸ですが、そこがずっと人気を保っている秘訣なのかもしれません。

実生でも玉獅子の虎といって売られていることがありますが、実生のタマトラは虎斑が後暗みしやすく、覆輪が浅く、巻きも悪く、本種とは比べ物になりません。本種のことを「ホンタマ」と呼び、中でも特に虎斑が白く冴え上質のものを石原性と呼びます。
値段も本種と実生では10倍以上違うので見分けが付かない場合は買う際にしっかりと「これはホンタマですか?」と確認してから買うようにしたほうが良いです。

玉獅子は獅子の原種と書きましたが、実親として有名な『麒麟獅子』は玉獅子×大車ともいわれており、臥牛獅子や玉姫など全ての獅子が玉獅子から派生したものだといわれています。

獅子は根も葉と同じように縮れていて、鉢の上に根先が出てきて止まってしまうことが良くあるので、少し大きめの鉢に水苔を使って植え込み、日は控えめ肥料は多めにすると芸が良くなると言いますが、本種の場合はそれだと虎斑が綺麗に冴えなくなってしまうので朝日を十分に取って絶妙なバランスで育てることが重要です。
先日の錦麒麟などと共に長い間人気を保っている品種です。

室内気温15−25℃
鉢内温度15−24℃
外棚とビニールハウスの北側、最近植え替えた万年青だけ16時半頃灌水。

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