13 東京支部展pt.1

日本おもと協会協会長賞
『富国殿』徳益さん
葉数的にもバランスがとれ、各葉に葉芸を現した美術木でした。今年の止め葉が剣葉で止まっているのが惜しまれます。
東京都知事賞
『武丸』溪さん
 こういう品種の見本木クラスが懸賞でトップに上がってくる辺りがさすが東京支部展という感じです。『武丸』覆輪の本芸を始めて見れて感動しました。覆輪ものと縞ものでそれぞれに異なった魅力を持つ品種は他より一段階上と見て良いかもしれません。

東京都議会議長賞
『太楽』徳益さん
改めて写真で見ると物凄い迫力ですね。
至芸です。これだけ葉芸を現して葉肉が増すと、2枚目が伸びきらないのも仕方ないように感じます。

園芸文化協会賞
『壽冠』大平さん
縞木のほうがボリュームが出やすいのは分かりますが、通常の3倍くらい葉巾をひいています。葉芸に品のある品種ですが、これだけの葉巾だと荒々しく見えます。
日本おもと業者組合賞
『鯱』近藤さん
私は常に業者としての感覚と個人的な趣味感覚を別にして万年青を見るようにしていますが、私の個人的な趣味では優勝でした。黒を基調とした古鉢との合わせもどストライクでした。

※ここからは私の主観のみでコメントしますので、あまり参考にしないで下さい。
この紺性と覆輪のコントラスト、粗れた地合い、曲線美。本来これだけで羅紗を楽しむには充分です。ただし、この要素からどれか一つでも欠けると一気に格が下がります。特に曲線美がこれほどまで研ぎすまされた品種は少ないです。
『聖雲殿』でも相当良い線を行っていますが、そこからさらに無駄を省いたのが『鯱』です。
名前は恐らくこの白と黒から付けたのだと思いますが、先代園主と笠原右光さんの感性には心底尊敬します。
最後にポケットブックに載っている小型ながら育てやすく性質は強健という説明に関しては、これだけ美術木や殖え木が出てこない状況からも用意に推察が付きます。それだけの上級品種であり、挑戦しがいのある魅力的な品種です。

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