11月16日 藁灰作り、芙蓉錦

この間仕入れてきた藁を燃して藁灰を作り始めました。
サーッと焼いたら空気に触れて白くにならないようにドラム缶に入れて保管します。
灰汁水の効用は葉の蒸散作用を促進する、チッ素過多を防ぐなど様々な説がありますが、カリウムの単体肥料としても使えます。
蒸散促進についてはこちら→蒸散

チッ素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)という植物の3大要素はご存知のことと思います。
チッ素はタンパク質や葉緑素、遺伝子の元となる主要要素で、リン酸はエネルギーの構成要素。カリウム自体は植物の構成要素ではありませんが、カリウムはチッ素と同程度の重量が必要な必要要素です。
どういうことかというと、カリウムは他の要素の補助をする役割があり、不足するとチッ素やリン酸による植物の形成がうまくいかないのです。
植物はチッ素をアンモニアや硝酸態の形で吸収しますが、これらは実は植物にとって毒物で、すぐにタンパク質に変換する必要があります。チッ素量と比較してカリウムが不足するとその変換ができなくなるために、植物内にアンモニアや硝酸が残り、それらが害虫や病原菌の餌となりやすいのです。
また、カリウムが不足するとセルロースやペクチンなどの細胞壁が作られなくなるので、植物が軟弱になります。植物は浸透圧を高めたり、寒さから身を守るために糖の濃度を高めるのですが、カリウムが足りないとこれができなくなるため、乾燥や寒さなどのストレスにも弱くなります。
当園では通年灰汁水を灌水時に混ぜて施していますが、冬の灰汁水によるカリ肥料の補充はかなり理に適っていると思います。
(簡潔ですが一応色々と調べました。)

『芙蓉錦(ふようにしき)』
当園には何本かあるのですが、芋が丈夫ではないようであまり売り物として並べられません。
でもこの糊を引いてthe浮き地といった感じの粉をはたいたようなたまらない地合いはつい見てしまいます。
この芙蓉錦、写真で美術木が残っていないことだし、私が挑戦してみようと思います。
原色おもと図鑑には富国殿よりも雅糸竜が少ないと書いてありますが、どこまでのポテンシャルを秘めているのか楽しみです。

外気3−11℃
温室6−16℃
鉢内6−14℃
16時頃、ビニールハウスだけ様子を見ながら灌水。

コメント

  1. omoto-boyさんへ
    交換会の盛んな頃は品違いによるトラブルが絶えませんでした。プロと言えども仕入れ品には責任持てません。鑑識眼を磨くことでしか防ぎようがない、自己責任でした。初心者は泣き寝入りでしたから。流行期(バブル)は怖いですよ。尤も、園芸店は言わずもがなです

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  2. 千代田の松さん
    ものが動く時代ほどそういうトラブルは付きものなのですね。
    より一層高いレベルの眼を持てるよう励みたいと思います。

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