1月19日 駿河富士

『駿河富士(するがふじ)』
昭和34年、黄倉厳氏らが静岡県富士市で発見したもの。
その年の秋に小泉兵一氏が三光園主と宝生園主に納入し、鈴木菊三郎氏が発見された地名に因んで『駿河富士』と命名した。

原木は恐らく大象観であろうといわれている。
確かに、葉型やしかみなどを見れば大象観そのものである。
駿河富士に現れる虎斑は他の品種には見られない独特の流れ虎。一見すると千代田斑や白斑と同じような性質を持った斑の様に見えるのだが、実生では作出不可能らしいので虎斑の一種なのだろう。
しかし、駿河富士の図という品種があるのだから、なんとも不思議な駿河斑といったところだろうか。
同じ駿河富士でも斑の出方にいくつかの系統があり、写真の木のように雪白な駿河斑を現す白雪駿河と呼ばれるものや、やや黄味を帯びた駿河斑を現すものなどもある。
さらに、羅紗地に変化したものや、打ち込みの千代田斑を現す駿河富士もあると聞く。

駿河富士の美術木は確かに美しくて見応えがあるのですが、それとは別の楽しみ方として系統の良いものは春になり新葉を伸ばしてくると、緑は葉先にわずかにあるかないか、といったような見事に真っ白で美しい葉を見せてくれます。
本当に見事なほどです!
その写真が見当たらないので、ここに載せられないのが残念です。

それにしても、また大象観ですね。
残雪、駿河富士、讃岐富士(白斑)、千代田城、鷲高隈。
不思議な木です。

これも大象観です。
左は完全な中透け(昨年の7月2日のブログで書いた木)。右は縞ですが、紺覆輪に反転しています。
これで千代田城のような浮き地になってくれればもっと美しいのですが、それでは千代田城そのものですので、これはこれで良いと思います。

外気△6−8℃
室内3−10℃
鉢内4−10℃
灌水なし。温室は日中温度が上がりすぎないように天窓だけ解放しています。

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